2018.10.5
建物を風雨から守る役割のある外壁ですが、その種類は豊富です。窯業系・金属系、そして木材系のサイディングや樹脂系サイディング、タイルやモルタルなど、頻繁に目にする素材の外壁もあります。そして、これと合わせて考えなければならないのが外壁の仕上げです。外壁の仕上げ塗料にも種類があり、吹き付けタイルやリシン、スタッコ、サイディングなどがよく知られている代表的な仕上げ剤です。この記事では、それぞれの外壁仕上げ剤について、その特徴も交えつつ解説し、さらに仕上げ剤の種類のひとつであるジョリパットについても解説します。
外壁仕上げ剤には色々な種類がありますが、まず吹き付けタイル仕上げは頻繁に目にすることができます。この吹き付けタイル仕上げは中粒仕上げと押さえ仕上げとがあります。どちらも、劣化しても上塗りすることで性能を復活させることができるということが特徴ですが、その一方で上塗り材の耐久度が低いという点は短所であるといえます。中粒仕上げか押さえ仕上げかは、中粒仕上げをしたあとに吹き付けたタイルを上から押しつぶしたものが押さえ仕上げ、その押し付けの工程を行わず色付けして仕上げたものが中粒仕上げです。凹凸のある表面は比較的街中でも目にする機会が多いものですが、実は押さえ仕上げは現在最も広く使われている外壁塗装仕上げです。次に、アクリル顔料塗料であるリシンは新築の建物で多く使われていた塗装方法です。顔料のり心に砂状の骨材を混ぜて吹き付ける塗装方法です。防水力には劣りますが、通気・透湿に優れコストが安いという特徴があります。吹き付けタイル仕上げとリシン仕上げとの両方の特徴を持った仕上げ方法がスタッコ仕上げと呼ばれる方法です。これはもともと漆喰を使用して仕上げる方法だったのですが、現代ではセメントモルタルや合成樹脂を吹き付けてコテで塗り伸ばした仕上げ方法です。そして最後に、サイディング仕上げです。このサイディング仕上げには金属系のものと非金属系のものがあります。金属系サイディングは、表面にスチールやアルミ、裏面には断熱材と配置して外壁に張る工法です。この工法で作られた外壁は丈夫で腐食しにくく、断熱性・耐震性・防水性に優れます。一方で、一度腐食してしまうと金属であることから腐食が進みやすいこと、傷や変形などが起こってしまうといった欠点があります。一方、非金属系サイディングは、窯業系とも呼ばれるもので、セメントや木材などの原料を窯で高温処理することで作られたサイディングです。塗装の自由度が高く汎用性があるため、広く使われている素材です。ただし、水分を含んだりそれが乾燥したりという過程で伸縮・変形しやすいという弱点があるため、防水処理が重要となります。
このように、様々な種類がある外壁仕上げ剤・仕上げ工法ですが、それぞれに特徴があることがわかります。また、素材によって起こりやすい劣化症状というものがあります。これを把握しておくことも建物のオーナーさんにとっては重要なポイントでしょう。まず、現在最も広く国内の新築住宅に使われているのが窯業系サイディングです。窯業系サイディングで起こりやすい劣化はコーキングの劣化、サイディングボードの反り、そしてチョーキングや藻・カビなどが代表的です。外壁が完成してから5~7年ほど経過すると、継ぎ目であるコーキング材の劣化が見え始めます。サイディング自体の寿命は長く30~40年程度とされていますが、こうしたメンテナンスが必要であることは知っておいたほうがよいでしょう。次に金属系サイディングはサビ・浮き・剥がれ、そして塩害によるひび割れなどが代表的な劣化です。メンテナンスの周期については素材が金属製であることや、浸水などが起こりにくいことから長めであるものの、塗料の耐用年数はまた別に考える必要があるため、メンテナンスをしなくてよいというものでもありません。サイディングには木質系のものもあります。これは断熱性に優れているほか、デザイン性もある素材なのですが、防火性に劣るほか、色あせ、藻、カビ、腐朽などのトラブルが起こりやすいものです。新調してからおおむね10年前後で再塗装が必要とされており、特に湿気での腐食が起こりやすいことから、本来の塗装(塗り替え)時期よりも若干早いタイミングでの再塗装が望まれます。次に樹脂系サイディングでは、塗装の色あせ・サイディングボードの割れが代表的な劣化です。ただしメンテナンスが必要になるほどの劣化までのスパンがかなり長いことが特徴です。サイディングの破損や塗料の耐用年数に合わせてメンテナンスを検討するのがよいでしょう。モルタルや漆喰などの「塗り壁」系の外壁の場合には、ひび割れや藻・カビ、塗膜の剥がれなどが代表的な劣化のサインです。多くの場合、塗膜の劣化によってサビが発生するため、塗料の耐久年数に合わせて塗り替えを行うのがよいでしょう。
ジョリパットというのは、アクリル系の壁仕上げ剤のことを指します。耐久性に優れており、カビや藻、そして火にも強い材質で、種類も豊富です。外壁に使用される場合には、退色しにくいタイプやひび割れに強いタイプ、汚れが落ちやすいタイプなど、その家の建っているエリアの気候や事情に対応できるタイプで施工できるのが特徴です。またデザインも凝ったものに対応できる自由度の高い外壁となることも特徴です。ただしこれは欠点にも繋がり、デザインによってできたくぼみや溝などに汚れが溜まりやすいということも同時に特徴として持っています。耐久度が高いために、あまりメンテナンスが必要ないと思われがちなジョリパット外壁ですが、やはり適切な間隔でメンテナンスが必要となることはオーナーさんが把握しておく必要があるでしょう。
壁の仕上げ剤の種類、そしてその特徴と、ジョリパット塗装について解説をしました。外壁は建物を守るための重要な要素の1つであることから、それぞれの特徴をしっかりと把握し、自分の建物に最適なものを提案してくれる施工業者によって施工をしてもらうのが、建物の寿命を保つための重要な要素であるといえるでしょう。
外壁仕上げ剤の種類と特徴
外壁仕上げ剤には色々な種類がありますが、まず吹き付けタイル仕上げは頻繁に目にすることができます。この吹き付けタイル仕上げは中粒仕上げと押さえ仕上げとがあります。どちらも、劣化しても上塗りすることで性能を復活させることができるということが特徴ですが、その一方で上塗り材の耐久度が低いという点は短所であるといえます。中粒仕上げか押さえ仕上げかは、中粒仕上げをしたあとに吹き付けたタイルを上から押しつぶしたものが押さえ仕上げ、その押し付けの工程を行わず色付けして仕上げたものが中粒仕上げです。凹凸のある表面は比較的街中でも目にする機会が多いものですが、実は押さえ仕上げは現在最も広く使われている外壁塗装仕上げです。次に、アクリル顔料塗料であるリシンは新築の建物で多く使われていた塗装方法です。顔料のり心に砂状の骨材を混ぜて吹き付ける塗装方法です。防水力には劣りますが、通気・透湿に優れコストが安いという特徴があります。吹き付けタイル仕上げとリシン仕上げとの両方の特徴を持った仕上げ方法がスタッコ仕上げと呼ばれる方法です。これはもともと漆喰を使用して仕上げる方法だったのですが、現代ではセメントモルタルや合成樹脂を吹き付けてコテで塗り伸ばした仕上げ方法です。そして最後に、サイディング仕上げです。このサイディング仕上げには金属系のものと非金属系のものがあります。金属系サイディングは、表面にスチールやアルミ、裏面には断熱材と配置して外壁に張る工法です。この工法で作られた外壁は丈夫で腐食しにくく、断熱性・耐震性・防水性に優れます。一方で、一度腐食してしまうと金属であることから腐食が進みやすいこと、傷や変形などが起こってしまうといった欠点があります。一方、非金属系サイディングは、窯業系とも呼ばれるもので、セメントや木材などの原料を窯で高温処理することで作られたサイディングです。塗装の自由度が高く汎用性があるため、広く使われている素材です。ただし、水分を含んだりそれが乾燥したりという過程で伸縮・変形しやすいという弱点があるため、防水処理が重要となります。
外壁仕上げ剤ごとに起きやすい劣化がある
このように、様々な種類がある外壁仕上げ剤・仕上げ工法ですが、それぞれに特徴があることがわかります。また、素材によって起こりやすい劣化症状というものがあります。これを把握しておくことも建物のオーナーさんにとっては重要なポイントでしょう。まず、現在最も広く国内の新築住宅に使われているのが窯業系サイディングです。窯業系サイディングで起こりやすい劣化はコーキングの劣化、サイディングボードの反り、そしてチョーキングや藻・カビなどが代表的です。外壁が完成してから5~7年ほど経過すると、継ぎ目であるコーキング材の劣化が見え始めます。サイディング自体の寿命は長く30~40年程度とされていますが、こうしたメンテナンスが必要であることは知っておいたほうがよいでしょう。次に金属系サイディングはサビ・浮き・剥がれ、そして塩害によるひび割れなどが代表的な劣化です。メンテナンスの周期については素材が金属製であることや、浸水などが起こりにくいことから長めであるものの、塗料の耐用年数はまた別に考える必要があるため、メンテナンスをしなくてよいというものでもありません。サイディングには木質系のものもあります。これは断熱性に優れているほか、デザイン性もある素材なのですが、防火性に劣るほか、色あせ、藻、カビ、腐朽などのトラブルが起こりやすいものです。新調してからおおむね10年前後で再塗装が必要とされており、特に湿気での腐食が起こりやすいことから、本来の塗装(塗り替え)時期よりも若干早いタイミングでの再塗装が望まれます。次に樹脂系サイディングでは、塗装の色あせ・サイディングボードの割れが代表的な劣化です。ただしメンテナンスが必要になるほどの劣化までのスパンがかなり長いことが特徴です。サイディングの破損や塗料の耐用年数に合わせてメンテナンスを検討するのがよいでしょう。モルタルや漆喰などの「塗り壁」系の外壁の場合には、ひび割れや藻・カビ、塗膜の剥がれなどが代表的な劣化のサインです。多くの場合、塗膜の劣化によってサビが発生するため、塗料の耐久年数に合わせて塗り替えを行うのがよいでしょう。
ジョリパット外壁とは何か?
ジョリパットというのは、アクリル系の壁仕上げ剤のことを指します。耐久性に優れており、カビや藻、そして火にも強い材質で、種類も豊富です。外壁に使用される場合には、退色しにくいタイプやひび割れに強いタイプ、汚れが落ちやすいタイプなど、その家の建っているエリアの気候や事情に対応できるタイプで施工できるのが特徴です。またデザインも凝ったものに対応できる自由度の高い外壁となることも特徴です。ただしこれは欠点にも繋がり、デザインによってできたくぼみや溝などに汚れが溜まりやすいということも同時に特徴として持っています。耐久度が高いために、あまりメンテナンスが必要ないと思われがちなジョリパット外壁ですが、やはり適切な間隔でメンテナンスが必要となることはオーナーさんが把握しておく必要があるでしょう。
まとめ
壁の仕上げ剤の種類、そしてその特徴と、ジョリパット塗装について解説をしました。外壁は建物を守るための重要な要素の1つであることから、それぞれの特徴をしっかりと把握し、自分の建物に最適なものを提案してくれる施工業者によって施工をしてもらうのが、建物の寿命を保つための重要な要素であるといえるでしょう。