2018.8.31
アドグリーンコートとは
日本の夏がおかしなことになっていると思いませんか。
毎年のように各地で「観測史上最大の暑さ」を更新していて、熱中症で病院に運ばれる人が連日あとを絶ちません。
ゲリラ豪雨と呼ばれる突発的な大雨についても、この10年ほどのあいだにぐっと増えた気もします。
もちろん日本にだけ、夏にのみ異常気象が集中しているわけではありません。世界中あらゆる場所で異常な事態が起きています。よく例として出されるのは、南極や北極の氷河が溶け出しているニュースです。これによりホッキョクグマたちは行き場を失い、数が極端に減ってきています。
同時に、大量の氷河が溶け出すことで海面が上昇します。日本ではあまり知られていませんが、南太平洋にあるキリバス共和国なんかはこのまま海面が上昇すると近い将来に国が水没するとさえ危惧されているのです。
異常気象と外壁塗装
こういった異常気象を引き起こす要因はみなさんが知っている通り、地球温暖化と言われています。しかし残念なことに地球温暖化という言葉や考えに否定的な人たちがまだ相当数いるのが現状です。
たとえば否定的な意見としてよく言われるのが以下のようなこと。「これまでも地球には氷河期などの周期があったのだから、今はたまたま暑い周期なだけ」であったり、「地球があったかくなれば、冬は逆に過ごしやすくなってラッキーだよ」であったり、「ちっぽけな人間の活動が地球に影響を与えられるわけがない」であったりします。
要は彼らは楽観しているほうがかっこいいと思っていて単に無知なだけでしょう。科学的データを参照しても、産業革命以降の人間活動が地球環境の悪化に加担してしまっていることは明らかです。
また「地球温暖化」という言葉自体にも問題があるように思います。どうも危機感があまり伝わらないと個人的には思うのです。温暖化というから「冬は過ごしやすくなる」という誤解を招いてしまうのではないでしょうか。
ですので個人的にはほぼ同様の意味として使われる「気候変動」を好みます。
先に挙げたゲリラ豪雨などについても地球温暖化と言われると原因と結果がなかなか結び付きにくいかもしれませんが、気候変動の一現象として捉えれば納得がいきやすくなると感じます。
それではこのような気候変動を少しでも食い止めるにはどうすればいいのか。という話題が現在世界各地で議論され、実践されています。そして私たち市民としては、つまるところ、「できることからする」以外に方法はないのです。
アドグリーンコートで世界を救う?
その一つの方法としてご紹介したいのが、アドグリーンコートというものです。アドグリーンコートを初めて耳にしたという人が多いと思いますが、建築物の外壁に塗る塗料の製品名がアドグリーンコートであると覚えておいてください。
販売元は日本中央研究所株式会社という企業で、株式会社アドマテックスという別の企業との共同開発によりアドグリーンコートは生まれました。というのも、もともと株式会社アドマテックスにはアドマファインという真球状微粒子を生み出す技術を持っていて、特許を取得していました。このアドマファインを建築用塗料に応用したものがアドグリーンコートというわけです。国際的な特許を取得しています。
ちなみに株式会社アドマテックスは世界的に有名なトヨタ自動車の最初のベンチャー企業です。この事実からもわかるように日本の高い技術力によってアドグリーンコートは生み出されたのです。
とはいえ建築塗料であるアドグリーンコートが、気候変動を食い止めることとどう関係しているのでしょうか。アドグリーンコートを語るうえで欠かせない重要なキーワードが二つあります。それが「遮熱」と「放熱」です。
アドグリーンコートは「遮熱」と「放熱」に特化した次世代の建築用塗料です。アドグリーンコートによってコーティングされた外壁は、太陽光の多くを反射し遮ることで屋内への侵入を軽減します。さらに溜まっている熱を外に逃がすので熱ごもりを解消することができるのです。外壁だけではなく内壁や屋根にももちろん使用することができます。
魔法のようなアドグリーンコートのデメリットは
魔法のような塗料のアドグリーンコートですが実際の評判はいかがなものでしょうか。まず使用者です。結論を言いますと、アドグリーンコートに塗り替えた建築物の使用者のほとんどが、夏場に過ごしやすくなったと実感しています。
仮にデータ上では遮熱と放熱の効果が認められたとしても、屋内の人たちが実感できなければ意味がありません。エアコンの温度設定を変えるという行動につながってはじめて、省エネが実現し、気候変動を食い止めるための小さな一歩になるからです。
アドグリーンコート使用者からの評判として、なかには残念ながら効果を実感できなかったという意見があるのも事実です。ところが理由をくわしくうかがってみるとそれは冬場の話であることが多いのです。冬場において求められるのは遮熱と放熱ではなく、断熱です。熱を逃がさず留めておく断熱なのです。残念ながらアドグリーンコートは断熱塗料ではありませんので、そのような塗料をお探しの方は断熱に特化した他社の塗料をお求めになったほうがいいかもしれません。いずれにせよ塗装を検討中の方は、その建築物がどうあるべきかの将来像まで考えておいた方がみんなにとって満足のいく塗装を実現できるかと思います。
さて、先述したように日本の夏がおかしなことになってきています。毎年、熱中症が原因で死者まで出るのですから本当にただごとではありません。容易に比較はできませんが、豪雪地域に住んでいないかぎりは日本において真冬よりの寒さよりも真夏の暑さをまずはなんとかすべきだろうと考えます。なので暑さしのぎに特化していて効力の高いアドグリーンコートを優先して導入すべきだろうと考えるのです。
昨今でもまだ公立学校の教室にエアコンがないことが話題にあがります。「がまんしてナンボ」という古い価値観と、潤沢な予算がつかないという政治的な理由とによるものかと思われますが、熱中症患者が年々増えている現在の状況をふまえればそんな悠長なことは言ってられません。
また冷暖房器具をいっさい使用しないでがまんすることを、「これぞエコ」「これぞ環境にやさしい」と主張する人がいますが、それは正当化しているだけであり、まちがっていると思います。何度も言いますが、熱中症で死者まで出ているわけです。気候変動に取り組むにもやはり私たちの命あってこそではないでしょうか。
私の望みとしては、まずは全公立学校の教室にエアコンを設置する、そして校舎の外壁にはアドグリーンコートをコーティングすることです。この合わせ技によってエアコンの温度設定を極端に下げる必要はなくなりますので、長い目で見れば省エネであり経済的ですから。
ところでアドグリーンコートは施工者にも評判がいいのです。その理由の多くは、薄塗りでオーケーのため塗りやすいようです。塗りやすいということは施工期間も多少短くなる可能性があります。大型である学校のような建築物では、他の塗料と比べてより顕著に短くなるかもしれません。窓の外に長いこと足場が組まれているとストレスを感じてしまう人もいるようなので短期間での納品はうれしいかぎりですよね。
そのほかCSR(企業の社会的責任)という観点では、アドグリーンコートを扱っている業者、アドグリーンコートを工場やオフィスビルに施工した企業、どちらからもとても評判がいいのです。社会にも地球環境にもやさしいなんてすばらしいことだと思います。
みなさんもアドグリーンコートという「できることから」始めてみてはいかがでしょうか。